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 『歌行燈』 従吾所好


「其のな、焼蛤は、今も町はづれの葦簀張〈よしずばり〉なんぞでいたします。矢張り松毬で焼きませぬと美味うござりませんで、当家〈うち〉では蒸したのを差上げます、味淋入れて味美〈あぢよ〉う蒸します。」

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