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 『貝の穴に河童の居る事』 青空文庫

 木菟《みみずく》が、ぽう、と鳴く。
 社の格子が颯《さっ》と開くと、兎が一羽、太鼓を、抱くようにして、腹をゆすって笑いながら、撥音《ばちおと》を低く、かすめて打った。
 河童の片手が、ひょいと上って、また、ひょいと上って、ひょこひょこと足で拍子を取る。

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