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『春昼』
泉鏡花を読む
「いや、しかし恋歌でないといたして見ますると、其の死んだ人の方が、これは迷ひであつたかも知れんでございます。」
「飛んだ話ぢや
ありません
か、それは又どうした事ですか。」
と、此方は何時か、最う御堂の畳に、にじり上つて居た。よしありげな物語を聞くのに、懐が窮屈だつたから、懐中に押込んであつた、鳥打帽を引出して、傍に差置いた。
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