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『木の子説法』
青空文庫
「若いお父さんに骨をお貰い。母さんが血をあげる。」
俯向《うつむ》いて、我と我が口にその乳首を含むと、ぎんと白妙《しろたえ》の生命《いのち》を絞った。ことこと、ひちゃひちゃ、骨なし子の
血
を吸う音が、舞台から響いた。が、子の口と、母の胸は、見る見る紅玉の柘榴《ざくろ》がこぼれた。
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