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 『婦系図』 青空文庫

 静岡県……某《なにがし》……校長、島山理学士の夫人菅子《すがこ》、英吉がかつて、脱兎《だっと》のごとし、と評した美人《たおやめ》はこれであったか。
 足一度《ひとたび》静岡の地を踏んで、それを知らない者のない、浅間《せんげん》の森の咲耶姫《さくやひめ》に対した、草深の此花《このはな》や、実《げ》にこそ、と頷かるる。河野一族随一の艶《えん》。その一門の富貴栄華は、一《いつ》にこの夫人に因って代表さるると称して可い。

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