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 『五大力』 従吾所好

「いや、新しいのなら尚ほ結構。」
 小弥太は、はじめから遠慮したのである。軒の端緒で、縁があらうと思つたばかり。店の様子が新らしい傘〈からかさ〉など売りさうにも見えなかつた。元来、ありあはせたから入つたものの、酔心地の此の場合、雨具を買ふに、煙草屋、荒物屋を何ぞ択ばむ、古寺だと尚ほ面かつた。……

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