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『天守物語』
泉鏡花を読む
折りめ折りめに、いろはと書いて。――
葛 さあ、お先達、よしの葉の、よい女郎衆では
ござ
んせぬが、参つてお酌。(扇を開く)
朱の盤 ぼろぼんぼろぼん。(同じく扇子にうく)おとゝゝゝ、丁どある/\。いで、お肴《さかな》を所望《しよまう》せう。……などか利験《りげん》のなかるべき。
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