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『貝の穴に河童の居る事』
青空文庫
「あ、あ、あ、姫君。踊って喧嘩はなりませぬ。うう、うふふ、蛇も踊るや。――藪《やぶ》の穴から狐も覗《のぞ》いて――あはは、石投魚《いしなげ》も、ぬさりと立った。」
わっと、けたたましく絶叫して、石段の麓《ふもと》を、右往左往に、人数は五六十、飛んだろう。
赤沼の三郎は、手をついた――もうこうまいる、姫神様。……
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