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『国貞えがく』
青空文庫
傘《からかさ》をがさりと掛けて、提灯をふっと消す、と蝋燭の匂が立って、家中《うちじゅう》仏壇の薫がした。
「呀《や》! 世話場だね、どうなすった、父《とっ》さん。お祖
母
《としより》は、何処へ。」
で、父が一伍一什《いちぶしじゅう》を話すと――
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