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 『化鳥』 青空文庫

日が暮れかゝると彼方《あつち》に一ならび、此方《こつち》に一ならび縦横《じうわう》になつて、梅《うめ》の樹が飛《とび》々に暗くなる。枝々のなかの水田《みづた》の水がどむよりして淀《よど》むで居るのに際立《きはだ》つて真《まつしろ》に見えるのは鷺《さぎ》だつた、二羽一処《ひとところ》にト三羽《さんば》一処《ひとところ》にト居てそして一羽《いちは》が六尺《しやく》ばかり空《そら》へ斜《なゝめ》に足から糸のやうに水を引いて立つてあがつたが音がなかつた、それでもない。

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