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『人魚の祠』
青空文庫
一人の処女が然《さ》う云つた。
成程、近々と見ると、白い小さな花の、薄《うつす》りと色着《いろづ》いたのが一ツ一ツ、
美
《うつくし》い乳首のやうな形に見えた。
却説《さて》、日が暮れて、其の帰途《かへり》である。
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