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 『化鳥』 青空文庫

蛙《かはづ》が一斉《いつせい》に鳴きはじめる。森《もり》が暗くなつて、山が見えなくなつた。
宵月《よいづき》の頃《ころ》だつたのに曇《くもつ》てたので、星《ほし》も見えないで、陰々《いんいん》として一面《いちめん》にものゝ色が灰のやうにうるんであつた、蛙《かはづ》がしきりになく。

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