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『草迷宮』
鏡花とアンティークと古書の小径
(ああ、お前はもう可いから。)邪魔もののようにおっしゃったで、爺どのは心外じゃ……
何の、心外がらずともの、いけずな親仁で
ござ
りますがの、ほほ、ほほ。」
「否《いや》、いや、私が聞いただけでも、何か、こう故《わざ》と邪慳に取扱ったようで、対手《あいて》がその酔漢《よいどれ》を労《いたわ》るというだけに、黙ってはおられません。何だか寝覚が悪いようだね。」
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