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 『婦系図』 青空文庫

「河野の父さんの方も、内々小児をだしに使って、東京へ遊びに行った事を知っているんですから、言句《もんく》は言わないまでも、苦い顔をして、髯の中から一睨《ひとにら》み睨むに違いはないんですもの、難有《ありがた》くないわ。母様《かあさん》は自分の方へ、娘が慕って行ったんですから御機嫌が可いでしょう、もうちっと経つと帰って来ます。それまでは、私、実家《さと》へは顔を出さないつもりで、当分風邪をひいた分よ。」

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