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 『縁結び』 青空文庫

「暮れるには間《ま》があるだろうが、暗くなったもんだから、ここを一番と威《おど》すんだ。悪い梟さ。この森にゃ昔からたくさん居る。良《い》い月夜なんぞに来ると、身体《からだ》が蒼《あお》い後光がさすように薄ぼんやりした態《なり》で、樹の間にむらむら居る。
 それをまた、腕《わんぱく》の強がりが、よく賭博《かけ》なんぞして、わざとここまで来たもんだからね。梟は仔細《しさい》ないが、弱るのはこの額堂にゃ、古《ふるく》から評判の、鬼《おに》、」

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