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 『義血侠血』 青空文庫

 二人は相見て笑いぬ。ときに数杵《すうしょ》の鐘声遠く響きて、月はますます白く、空はますます澄めり。
 糸はあらためて馭者に向かい、
「おまえさん、金沢へは何日《いつ》、どうしてお出でなすったの?」

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