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『婦系図』
青空文庫
と莞爾した、その唇の紅を染めたように、酸漿を指に取って、衣紋を軽《かろ》く拊《う》ちながら、
「憎らしい、お源や…………」
来て御覧、と呼ぼうとして、声が出たのを、圧えて酸漿をまた吸った。
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