検索結果詳細
『薬草取』
青空文庫
採って前髪《まえがみ》に押頂《おしいただ》いた時、私の頭《つむり》を撫《な》でながら、余《あまり》の嬉《うれ》しさ、娘ははらはらと落涙《らくるい》して、もう
死
ぬまで、この心を忘れてはなりませんと、私の頭《つむり》に挿《さ》させようとしましたけれども、髪は結んでないのですから、そこで娘が、自分の黒髪に挿しました。人の簪《かんざし》の花になっても、月影に色は真紅《しんく》だったです。
239/283
240/283
241/283
[Index]