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 『義血侠血』 青空文庫

 白糸はあらためて馭者に向かい、
「おまえさん、金沢へは何日《いつ》、どうしてお出でなすったの?」
 四顧寥廓《しこりょうかく》として、ただ山水と明月とあるのみ。〓戻《りょうれい》たる天風《てんぷう》はおもむろに馭者の毛布を飄せり。

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