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 『日本橋』 青空文庫

 と恍けた顔。この大業なのが可笑いとて、店に突立った出額の小僧は、お千世の方を向いて、くすりと遣る。
 女房は念入りにも一つ頷き、
「お土産の先廻り。……莞爾々々お帰りでございました。ですからもう今日は、お持ちになるに及びません。ほんとにお坊ちゃんは、水菓子がお好きでいらっしゃいます事!

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