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『化鳥』
青空文庫
ふるえながら、そつと、大事に、内証《ないしやう》で、手首をすくめて、自分の身躰《からだ》を見やうと思つて、左右へ袖をひらいた時もう思はずキヤツと叫《さけ》んだ。だつて私《わたし》が鳥のやうに見えたんですもの。何んなに恐かつたらう。
此時背後《うしろ》から
母
様《おつかさん》がしつかり抱いて下さらなかつたら、私《わたし》何うしたんだか知れません。其はおそくなつたから見に来て下すつたんで泣くことさへ出来なかつたのが、
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