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『海神別荘』
華・成田屋
頸飾(くびかざり)なんぞ、珠なんぞ。貴女の腰掛けている、それは珊瑚だ。
美
女 まあ、父に下さいました枝よりは、幾倍とも。
公子 あれは草です。較ぶればここのは大樹だ。椅子の丈は陸(くが)の山よりも高い。そうしている貴女の姿は、夕日影の峰に、雪の消残ったようであろう。少しく離れた私の兜(かぶと)の竜頭(たつがしら)は、城の天守の棟に飾った黄金の鯱ほどに見えようと思う。
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