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『義血侠血』
青空文庫
「御冗談もんだよ」と白糸は流眄《ながしめ》に見遣りぬ。
「いや、それはともかくも、話説《はなし》をせんけりゃ解らん」
馭者は懐裡《ふところ》を捜りて、油紙の蒲簀莨入《かますたばこい》れを取り出だし、いそがわしく一服を喫して、直ちに物語の端を発《ひら》かんとせり。白糸は渠が吸い殻を撃《はた》くを待ちて、
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