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『国貞えがく』
青空文庫
と祖
母
《としより》も莞爾して、嫁の記念《かたみ》を取返す、二度目の外出《そとで》はいそいそするのに、手を曳かれて、キチンと小口を揃えて置いた、あと三冊の兄弟を、父の膝許に残しながら、出しなに、台所を竊《そっ》と覗くと、灯は棕櫚の葉風《はかぜ》に自《おのず》から消えたと覚しく……真の暗がりに、もう何んにも見えなかった。
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