検索結果詳細


 『義血侠血』 青空文庫

 馭者は懐裡《ふところ》を捜りて、油紙の蒲簀莨入《かますたばこい》れを取り出だし、いそがわしく一服を喫して、直ちに物語の端を発《ひら》かんとせり。白糸は渠が吸い殻を撃《はた》くを待ちて、
「済みませんが、一服貸してくださいな」
 馭者は言下《ごんか》に莨入れとマッチとを手渡して、

 247/706 248/706 249/706


  [Index]