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『春昼後刻』
泉鏡花を読む
(えゝ、えゝ、えゝ、伺ひます。お話はお馴染の東京世渡草、商人の仮声物真似。先づ神田辺の事でござりまして、えゝ、大家の店前にござります。夜のしら/\明けに、小僧さんが門口を掃いて居りますると、納豆、納豆――)
と申して、情ない調子になつて、
(えゝ、お御酒を頂きまして声が続きません、助けて遣つておくんなさい。)
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