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『歌行燈』
従吾所好
と真顔で言ふ。
小女が、きよとんとした
顔
を見ると、捻平に追つかけの酌をして居た年増が見向いて、
「喜野、お酌ぎ……其の旦那はな、弥次郎兵衛様ぢやで、喜多八さんにお杯を上げなさるんや。」
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