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『湯島の境内』
青空文庫
早瀬 済まないな、今更ながら。
お蔦
水
臭い、貴方は。……初手《しょて》から覚悟じゃありませんか、ねえ。内証だって夫婦ですもの。私、苦労が楽《たのし》みよ。月も雪もありゃしません。(四辺《あたり》を〓《みまわ》す)ちょいとお花見をして行《ゆ》きましょうよ。……誰も居ない。腰を掛けて、よ。(と肩に軽く手を掛ける。)
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