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 『雛がたり』 青空文庫

 金岡《かなおか》の萩の馬、飛騨の工匠《たくみ》の竜までもなく、電燈を消して、雪洞《ぼんぼり》の影に見参らす雛のは、実際、唯《と》瞻《み》れば瞬きして、やがて打微笑《うちほほえ》む。人の悪い官女のじろりと横目で見るのがある。――壇の下に寝ていると、雛の話声《はなしごえ》が聞える、と小児《こども》の時に聞いたのを、私は今も疑いたくない。

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