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『春昼後刻』
泉鏡花を読む
(えゝ、お御酒を頂きまして声が続きません、助けて遣つておくんなさい。)
と厭な声が、流れ星のやうに、尾を曳いて響くんで
ござ
いますの。
私は何んですか、悚然として寝床に足を縮めました。しばらくして、又其の(えゝ、えゝ、)と云ふ変な声が聞えるんです。今度は些と近くなつて。
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