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『婦系図』 青空文庫
どこも変らず、風呂敷包を首に引掛けた草鞋穿《わらじばき》の親仁だの、日和下駄で尻端折《しりはしょ》り、高帽という壮佼《あにい》などが、四五人境内をぶらぶらして、何を見るやら、どれも仰向いてばかり通る。
石段の下あたりで、緑に包まれた夫人の姿は、色も一際鮮麗《あざやか》で、青葉越に緋鯉の躍る池の水に、影も映りそうに彳んだが、手巾《ハンケチ》を振って、促がして、茶店から引張り寄せた早瀬に、
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