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『婦系図』
青空文庫
石段の下あたりで、緑に包まれた夫人の姿は、色も一際鮮麗《あざやか》で、青葉越に緋鯉の躍る池の水に、影も映りそうに彳んだが、手巾《ハンケチ》を振って、促がして、茶店から引張り寄せた早瀬に、
「可い加減になさいよ、極《きま》りが悪いじゃ
ありません
か。」
「はい、お忘れもの。」
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