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『薬草取』
青空文庫
奥様、此処《ここ》まで、と声がして、駕籠が下りると、一人手を取って私を外へ出しました。
左右《ひだりみぎ》に土下座《どげざ》して、手を支《つ》いていた中に馬士《まご》もいた。一人が背中に私を負《おぶ》うと、娘は駕籠から出て見送ったが、
顔
に袖《そで》を当てて、長柄《ながえ》にはッと泣伏《なきふ》しました。それッきり。」
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