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『高野聖』
泉鏡花を読む
「其処から下りるのだと思はれる、松の木の細くツて度外れに背の高い、ひよろひよろした凡そ五六間上までは小枝一ツもないのがある。其中を潜つたが、仰ぐと梢に出て
白
い、月の形は此処でも別にかはりは無かつた、浮世は何処にあるか十三夜で。
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