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『薬草取』
青空文庫
花を枕頭《まくらもと》に差置《さしお》くと、その時も絶え入っていた母は、呼吸《いき》を返して、それから日増《ひまし》に快《よ》くなって、五年経ってから亡くなりました。
魔
隠《まかくし》に逢った小児《こども》が帰った喜びのために、一旦《いったん》本復《ほんぷく》をしたのだという人もありますが、私は、その娘の取ってくれた薬草の功徳《くどく》だと思うです。
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