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 『夜叉ヶ池』 青空文庫

百合 太郎がちょっとお見送り。(と袖でしめつつ)小父《おじ》ちゃんもお早くお帰りなさいまし、坊やが寂しゅうございます。(と云いながら、学円の顔をみまもり、小家《こや》の内を指し、うつむいてほろりとする。)
学円 (庇《かば》う状《さま》に手を挙げて、また涙ぐみ)御道理《ごもっとも》じゃ、が、大丈夫、夢にも、そんな事が、貴女、(と云って晃に向きかえ)私《わし》に逢うて、里心が出て、君がこれなり帰るまいか、という御心配じゃ。

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