検索結果詳細


 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 と姥は見返る。捧げた心か、葦簀に挟んで、常夏の花のあるが下に、日影涼しい手桶が一個《ひとつ》、輪の上に、――、大方その時以来であろう――注連《しめ》を張ったが、まだ新しい。
 「も汲んで、くくめてお遣り遊ばした。嘉吉の我に返った処で、心得違いをしたために、主人の許へ帰れずば、これを代に言訳して、と結構な御宝を。……

 262/1510 263/1510 264/1510


  [Index]