検索結果詳細


 『高野聖』 泉鏡花を読む

(唯、唯今あの爺様が、然やう申しましたやうに存じますが、夫人でございますか。)
(何にしても貴僧には叔母さん位な年紀ですよ。まあ、お早くいらつしやい、草履も可うござんすけれど、刺がさゝりますと不可ません、それにじく/\湿れて居てお気味が悪うございませうから。)と向う向でいひながら衣服の片褄をぐいとあげた。真なのが暗まぎれ、歩行くと霜が消えて行くやうな。

 265/622 266/622 267/622


  [Index]