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 『海神別荘』 華・成田屋

公子  貴女の親は悲しむ事は少しもなかろう。はじめからそのつもりで、約束の財を得た。しかも満足だと云った。その代りに娘を波に沈めるのに、少しも歎くとはないではないか。
女  けれども、父娘(おやこ)の情愛でございます。
公子  勝手な情愛だね。人間の、そんな情愛は私には分らん。(頭(かぶり)を掉る)が、まあ、情愛としておく、それで。

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