検索結果詳細
『婦系図』 青空文庫
膝に搦《から》んだ裳《もすそ》が落ちて、蹌踉《よろ》めく袖が、はらりと、茶棚の傍《わき》の襖に当った。肩を引いて、胸を反らして、おっくらしく、身体《からだ》で開けるようにして、次室《つぎ》へ入る。
板廊下を一つ隔てて、そこに四畳半があるのに、床が敷いてあって、小児が二人背中合せに枕して、真中《まんなか》に透いた処がある。乳母が両方を向いて寝かし附けたらしいが、よく寝入っていて、乳母は居なかった。
2673/3954
2674/3954
2675/3954
[Index]