検索結果詳細


 『薬草取』 青空文庫

百穀苗稼《ひゃくこくびょうが》  甘庶葡萄《かんしょぶどう》  雨之所潤《うししょじゅん》  無不豊足《むふぶそく》
乾地普洽《かんちぶごう》  薬木並茂《やくぼくひょうも》  其雲所出《ごうんしょしゅつ》  一味之《いちみしすい》
 葎《むぐら》の中に日が射して、経巻《きょうかん》に、蒼く月かと思う草の影が映《うつ》ったが、見つつ進む内に、ちらちらと紅《くれない》来《きた》り、黄《き》来《きた》り、紫《むらさき》去《さ》り、白《しろ》過《す》ぎて、蝶《ちょう》の戯《たわむ》るる風情《ふぜい》して、偈《げ》に斑々《はんはん》と印《いん》したのは、はや咲交《さきまじ》る四季の花。

 267/283 268/283 269/283


  [Index]