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『歌行燈』
従吾所好
「もし、お騒がしうござりませう、お気の毒でござります。丁ど霜月でな、今年度の新兵さんが入營なさりますで、其の送別会ぢや言うて、彼方此方、皆、此の景気でござります。でもな、お寝〈よ〉ります時分には時間に成るで静まりませう。何うぞ御辛抱なさいまして。」
「いや/\、其れには及ばぬ、其れには及ばぬ。」
と小父者、二人の女中の顔へ、等分に手を掉つて、
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