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 『薬草取』 青空文庫

 忽然《こつねん》として天《てん》開《ひら》け、身は雲に包まれて、妙《たえ》なる薫《かおり》袖《そで》を蔽《おお》い、唯《と》見ると堆《うずたか》き雪の如く、真白《ましろ》き中に《くれない》ちらめき、瞶《みつ》むる瞳《ひとみ》に緑映《えい》じて、颯《さっ》と分れて、一つ一つ、花片《はなびら》となり、葉となって、美女ヶ原の花は高坂の袂《たもと》に匂《にお》ひ、胸に咲いた。

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