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 『高野聖』 泉鏡花を読む

 といつた婦人はもう一息、目の下に立つて待つて居た。
其処は早や一面の岩で、岩の上へ谷川の水がかゝつて此処によどみを作つて居る、川幅は一間ばかり、水に臨めば音は然までにもないが、しさは玉を解いて流したやう、却つて遠くの方で凄じく岩に砕ける響がする。

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