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『婦系図』
青空文庫
と小芳が太《いた》く更《あらた》まって、三指を突いた時、お妙は窮屈そうに六畳の上座《じょうざ》へ直されていたのである。
「貴嬢《あなた》、まあ、どうしてこんな処へ、たった御一人なんですか。途中で何か
ござ
いませんでしたか、お暑かったでしょうのに。唯今手拭を絞って差上げます。」
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