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『春昼』
泉鏡花を読む
「其の客人が亡くなりまして、二月ばかり過ぎてから、彼処へ、」
と二階家の遥なのを、雲の上から蔽ふやう、出家は法衣の袖を上げて、
「細君が引越して来ましたので。恋ぢや、迷ぢや、といふ一騒ぎござつた時分は、此の浜方の本宅に一家族、……唯今でも其処が本家、まだ横浜にも立派な店があるのでありまして、主人は大方其方へ参つて居りませうが。
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