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 『海神別荘』 華・成田屋

公子  (聞きつつ莞爾とす)やあ、(女房に)・・・この女は豪(えら)いぞ!はじめから歎いておらん、慰め賺す要はない。私はしおらしい。あわれな花を手活(ていけ)にしてながめようと思った。違う!これは楽しく歌う鳥だ、面白い。それも愉快だ。おい、酒を寄越せ。
手を挙ぐ。たちまち闥(ドア)開けて、三人の侍女、二罎(ふたびん)の酒と、金の皿に一対の玉盞(たまのさかずき)を捧げて出づ。女房盞を取って、公子と美女の前に置く。侍女退場す。女房酒を両方に注(つ)ぐ。

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