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『歌行燈』
従吾所好
小女が猪首で頷き、
「誰も居やはらぬ言うてでやんした。」
「かいな、旦那さん、お気の毒さまでござります。狭い土地に、数のない芸妓やに依つて、恁うして会なんぞ立込みますと、目星い妓たちは、ちやつとの間に皆出払ひます。然うか言うて、東京のお客様に、余りな人も見せられはしませずな、容色〈きりやう〉が好いとか、芸がたぎつたとか言ふのでござりませぬとなあ……」
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