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『海神別荘』
華・成田屋
公子 (品よく盞を含みながら)貴女、少しも辛うない。
女房 貴女の薄紅なは桃の露、あちらは菊花の雫です。お国では御存じありませんか。海には最上の飲料(のみしろ)です。お気が清しくなります、召あがれ。
美女 あの、桃の露、(見物席の方へ、半ば片袖を蔽うて、うつむき飲む)は。(と小き呼吸(いき)す)何という涼しい、爽やいだ――蘇生(よみがえ)ったような気がします。
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