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 『婦系図』 青空文庫

「姉さん、」
 と、お蔦は俯向いた小芳を起して、膝突合わせて居直ったが、頬を薄蒼う染《そむ》るまでその半襟を咽喉《のど》に当てて、頤深く熟《じっ》と圧えた、浴衣に映る紫栄えて、血を吐く胸のしさよ。

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